最初に身も蓋もないことを言います。
カバ桜は、桜ではありません。
カバノキ科の木、いわゆるバーチです。
木材の世界には「〜桜」と名乗る桜じゃない木がいくつかあって、カバ桜はその代表格。
とはいえ優しい色味は本当に桜っぽくて、明るい床にしたい人の定番候補です。
北欧系や無印っぽいインテリアに合わせたい人が、ショールームでよく指名する木でもあります。
実験に使った材と条件
| 材 | 塗装 | 入手 |
|---|---|---|
| カバ桜(バーチ)無垢フローリング | ウレタン塗装 | 建材通販のサンプル材 |
今回の材はウレタン塗装(造膜型。表面に樹脂の膜をつくるタイプ)です。
条件は全記事で共通(詳細はオークの実験記事)。
- しょうゆ・ケチャップを直径3cmほど垂らして30分放置。その後、乾いた布で拭き取り
- プラスドライバー(約60g)を30cmの高さから柄を下にして垂直に自由落下

しょうゆを30分放置した結果

結果は写真のとおり。
しょうゆもケチャップも、跡形もなく拭き取れました。
ウレタン塗装の防汚力は、オークの実験と同じく安定の強さです。
明るい色の床は汚れが目立ちそうで心配されがちですが、塗装さえされていれば「拭けば消える」ので、実は心配のポイントがずれているんですね。
ドライバーを30cmから落とした結果


落下地点には、塗膜が白く潰れた、はっきり分かる凹みが残りました。
光の当たり方によっては、離れた場所からでも視線が引っかかります。
ただ、凹みの深さそのものは、パイン(赤松)で同じ実験をしたときのような柔らかい木の凹みより浅めでした。
目立っているのは深さというより、塗膜が白く変色したせいです。
カバ桜は広葉樹ですが、オークほどの硬さはありません。
オークの記事にも書いたとおり、塗膜が守ってくれるのは「汚れ」であって「衝撃」ではない。カバ桜でもそのまま再確認する結果になりました。
明るい床と暗い床では、目立つゴミが違う
これは住んでみないと気づきにくい話。
明るい床は、黒っぽいゴミ(髪の毛など)が目立ちます。
暗い床は、白っぽいゴミ(ホコリ、食べこぼしのカス)が目立ちます。
つまりどの床を選んでも、何かしらは目立つんです。
カバ桜のような明るい床は、髪の長い家族が多い家だと掃除頻度が上がるかもしれません。
逆にホコリのたまり具合は視認しにくいので、精神衛生上は楽です。
暗い床側の事情はウォールナットの実験記事に書きました。
カバ桜という木について
木目にクセがなく、色が明るく均一。
この「主張しなさ」がカバ桜の持ち味です。
家具や建具がどんな色でも受け止めてくれるので、インテリアの自由度が高い。
価格も広葉樹の無垢材としては手頃な部類です。
注意点は日焼け(紫外線による変色)です。
明るい木は色の変化が見えやすく、窓際だけ焼けて色が変わる、ラグの跡が残る、といったことが起きます。
レースカーテンやUVカットフィルムで、かなり緩和できます。
明るい床は部屋を広く見せる効果もあるので、日当たりに不安のある部屋や子供部屋との相性がいい木だと思います。
どんな家・部屋に向くか
| 部屋 | カバ桜(ウレタン塗装)の判定 | 理由 |
|---|---|---|
| キッチン | ○ 使える | 実験のとおりシミに強い |
| ダイニング | ○ 使える | 食べこぼしも拭けば終わり |
| リビング | ◎ ベスト | 部屋が明るく広く見える |
| 子供部屋 | ○ 使える | 明るさは魅力。打痕対策におもちゃゾーンはラグを |
| 寝室 | ○ 使える | 無塗装の質感が欲しいなら檜も検討 |
子供部屋で使うなら、ひとつだけ。
学習机のキャスター付き椅子は、床の種類を問わず傷の主犯です。
チェアマットを一枚敷いておくと、後悔がひとつ減ります。
ウレタン塗装品なら、リビング・ダイニング・子供部屋まで含めて使いやすい優等生です。
同じウレタン塗装でも、濃い色の床だと少し事情が変わります。
その話はウォールナットの実験記事で。明るい床と暗い床、それぞれの「あるある」が見えて面白いですよ。


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